企業やブランドの理念や価値観、製品やサービスの特徴といった、根本に関わるイメージを具象化して表したロゴデザイン。
今や目にしない日は無いくらい、生活に浸透したロゴですが、「ロゴタイプ」と「ロゴマーク」という、2つのロゴが存在するのをご存知ですか?
この記事では、そんな2つのロゴの違いを紹介すると共に、ロゴを用いた印象的な名刺を作成するコツについて解説します。
さらには、フリーランスや個人がロゴを作成する方法について、アプリやソフトで自作する方法と、デザイナーに依頼する方法の2つに分けて、その一例をご紹介いたします。
ロゴを使った印象的な名刺を作って、ビジネスシーンで初対面の相手に、自らのブランドイメージを効果的に伝えたい方は、ぜひとも最後までお付き合いください。
2つのロゴデザイン

2つのロゴとは
- ロゴタイプ
- ロゴマーク
の2つを指し、それぞれ明確に意味合いが違うのです。
ここでは、それを理解するために必要な、シンボルマークと合わせてご紹介します。
シンボルマーク
まず、「シンボルマーク」とは、会社理念や特徴、製品や技術、業種をイメージさせる象徴的な特徴を、図案として表したものを言います。
ロゴタイプ
「ロゴタイプ」とは、企業や製品、ブランドの名前を文字として表記したモノを指します。
その文字自体を指定のフォントで表したり、意匠的にオリジナル装飾して作られたモノすべてを、「ロゴタイプ」と呼びます。
ロゴマーク
「シンボルマーク」と「ロゴタイプ」、この2つを組み合わせて作られたものを、「ロゴマーク」と呼びます。
通常、「ロゴ」とひと口に言われる場合は、こちらの「ロゴマーク」のことを指す場合が多いのですが、正確に言えば「ロゴ」とは、この「ロゴマーク」と「ロゴタイプ」の2つの意味合いがあるのです。

ロゴ入り名刺作成のポイント

こういった「ロゴマーク」や「ロゴタイプ」をうまく使って、自社のブランドイメージを的確に伝える名刺を作るためには、いくつかのポイントに注意する必要があります。
ここではその中でも、
- レイアウト
- 使用色
の2つに分けて考えていきましょう。
レイアウト
一般的に名刺に記載する内容といえば
- 会社名(ブランド名)
- 個人名・肩書き
- 住所
- 電話番号
- 公式サイトなどのURL
- メールアドレス
といったものが考えられます。
これらのテキスト情報と、ロゴデザインをいかにうまくレイアウトしてデザインするかが、ブランドイメージを高める名刺デザインのためには必要なのです。
例えば、
- 会社名やブランド名はロゴの他にもテキストとして書くか?
- ロゴの大きさは?
- ロゴやテキストの配置はどうするか?
など、レイアウトの際に気にしなければならないことは、たくさんあります。
こういったレイアウトやデザインに関する専門的な知識は、多数の書籍やネット上のブログなどからでも得ることが出来ますので、それらを参考にすると良いでしょう。
>>名刺サイズは黄金比が基本|黄金比を意識したデザインの作り方
使用色の確認
ロゴとは企業理念や価値観、特徴などを表したものだとは先述しました。
これはロゴの作成自体が、CI(Corporate Identity:コーポレート・アイデンティティ)と呼ばれる「組織の固有化」の一環にあるからです。
つまり、「ひと目見てそれと分かる」シンボルであるために、使用されているフォントや色が時と場合によって変わるということは、通常ありえません。
そのため名刺を発注する場合でも、それらは必ず決められたものでなければならないため、ロゴの指定に関してもしっかりとしたルールを守る必要があるのです。
PCディスプレイと印刷色の違いを理解する

名刺印刷を業者に発注する場合、色の指定は慎重に行う必要があります。
ロゴ自体がプロの作ったデータであれば、アウトラインや色の指定も最初からしっかりとなされているでしょう。
しかし、自身でロゴをデザインした場合などは、パソコンの画面で見た色合いと、印刷物の色合いがイメージと違うことは、往々にしてあるものです。
これは、パソコン用と印刷用の、色指定の違いを理解していないために起こります。
まずは、その違いを理解しておきましょう。
RGBカラー
パソコンのモニターやデジカメなどの画像データは、「光の三原色」と呼ばれる「R(レッド:赤)、G(グリーン:緑)、B(ブルー:青)」の3色で構成されています。
この3色は、混ぜ合わせれば色が明るくなり、白色に近づいていき、それと画面色である黒の4色をかけ合わせて、画面上では色が表現されているのです。
CMYKカラー
それに対してコピー機なども含む紙媒体への印刷の場合は、「色の三原色」と呼ばれる「C(シアン)、M(マゼンタ)、Y(イエロー)」という3色が用いられます。
これに、「K(ブラック)」のインキを加えた4色をかけ合わせ、フルカラーを表現しますので、色の三原色・RGBカラーとは同じ色でも違う表現となるのです。
特色使用の場合は要注意

こうしたCMYKのフルカラー印刷では表現できない、特色(金や銀も含む)を利用したロゴの場合は、インキ自体特別なものを用意する必要があります。
これを特色印刷と呼び、DIC(DIC株式会社が製造している特色インキ)カラーなどの番号で指定しなければならないため、特別に注意しましょう。
ロゴデザインを製作する場合のヒント

フリーランスや個人などでも、自らのブランドイメージを高めたい時に、ロゴマークを作りたいと思うことはあるでしょう。
ここでは、そんなロゴマークを製作するヒントとして、自作と外注の2つの製作方法をご紹介します。
アプリやソフトで自作する
デザインなども自分で行う場合は、既成のアプリやソフトを利用するのが良いでしょう。
現在ロゴデザインを行うのに、おすすめなアプリやソフトは次の3つです。
ロゴメーカー
ネットショップ作成サービス「STORES」が提供する、無料のロゴ作成ツールです。
テキストを入力し、アイコンや色を選べば、手軽に簡易的なロゴが作成できます。
Canva
無料プランでも8000点以上(有料プランなら100万点以上)のテンプレートが利用でき、ロゴや印刷物、ネット上のバナーなどが、プロ顔負けのクオリティで作成できます。
Illustrator
誰もが知るAdobe社のデザイン用ソフトで、プロからアマチュアまで、デザイナーのご用達ですが、扱いにはかなりの習熟が求められます。
しかし、印刷会社のほとんどがIllustrator入稿に対応しているため、これさえあれば間違いはありません。
デザイナーに依頼する
ロゴを自作するには、どんなにかんたんなアプリやソフトを使ったとしても、それなりのセンスは要求されます。
そんな時はデザイナーに外注を出すのも一考です。
クラウドソーシング
ランサーズやクラウドワークス、あるいはココナラといった、クラウドソーシングと呼ばれるサービスを利用する方法です。
プロ・アマ合わせて多数のデザイナーが登録していますので、そこを見極める必要はありますが、比較的安価に外注できるというメリットはあります。
プロデザイナー
プロのデザイナーやデザイン会社に、直接発注するやり方です。
ロゴの作成方法としてはもっともオーソドックスなやり方で、クオリティの高いものが作成できますが、その分料金は他の方法と比較しても、それなりの高額になるでしょう。
印刷業者
印刷業者に名刺の印刷とともに、ロゴデザインを一緒に頼む方法です。
印刷業者ごとにデザイナーの所属の有無、受注できる範囲も違いますので、その辺りの確認は必要ですが、印刷と同時発注ができるため、比較的安価で作成できる場合もあります。
まとめ
この記事では、
- 2つのロゴデザインの違い
- ロゴ入り名刺作成のポイント
- ロゴデザインを製作する場合のヒント
について解説してまいりました。
ロゴデザインはあなたの会社やブランドの、精神やビジョンの根幹を伝えるためのものですから、名刺に印刷する場合でも、妥協せずクオリティの高いものを作成するようにしましょう。
そうすることにより、ブランドイメージはさらなる高まりを見せますので、初対面の相手にも関心を持ってもらえる、印象的な名刺となることは間違いありません。