ビジネスシーンで初対面の相手へ印象を残すためにもっとも効率的なのは、おしゃれな名刺を作ってアピールする方法でしょう。
特にレイアウトや画像挿入などのデザインは有効ですが、それと並んでイメージを大きく左右するのが名刺用紙の選択です。
この記事では、名刺用紙の中でもナチュラルな印象で人気の高いクラフト紙を使った名刺をご紹介します。
クラフト紙を使った名刺の特徴に加え、クラフト名刺を製作する際のポイントについて詳しく解説。
さらには、家庭用プリンターを使って自作する場合のおすすめクラフト名刺用紙もご紹介します。
店舗型ビジネスやフリーランスのクリエイターなど、おしゃれでやさしい印象の名刺が作りたい方は、ぜひご一読ください。
クラフト紙を使えばおしゃれカフェ風名刺が作れる

薄茶色の紙で雰囲気が穏やかなクラフト紙を用いた名刺は、おしゃれなカフェや作家物のハンドメイドショップのような、センスの良い店舗のショップカードを想像させます。
そんなイメージを抱かせるクラフト紙には、次のような特徴がありますので、まずはそれを理解しておきましょう。
クラフト紙とは
クラフト紙とはクラフト法(アルカリ性薬剤を用いて木材からパルプを得る製法)で製造されたパルプを原料とした洋紙の1つです。
一般的な洋紙は製造工程で漂白をするため白い紙として精製されますが、クラフト紙はその中でも、漂白工程を得ずに作られているため木材由来の風合いを残しています。
もともとは重包装紙や段ボールなど、強度を求められる用紙として利用されていましたが、その風合いが飾らないおしゃれにつながり、ナチュラルテイストの店舗でカードやメニュー用紙などに利用されるようになりました。
>>こだわりの名刺を作りたければ紙の種類へのこだわりを持とう
クラフト紙の2つの魅力
洋紙の製法上クラフト紙は漂白工程を省いていると説明しましたが、そのことにより得られる効果が主に2つあります。
- 紙としての強度が高い
- 紙にナチュラルな風合いが出る
ここではこれらについて深掘りしていきましょう。
強度が高い
漂白工程を省いた製法上、クラフト紙は他の洋紙と比べて紙としての強度が高い製品として完成します。
引っ張りや裂けに強く、丈夫で破れにくいという特徴を持っているため、包装紙や粘着テープに使われることも多いのですが、それ自体は名刺用紙として利用する分にはそこまで大きなメリットとはならないかもしれません。
クラフト紙の風合い
漂白などいくつかの作業工程をあえて省いた製法のため、クラフト紙は表面がザラザラとした手触りをしていて、その色合いも木材に由来した薄茶色をしているのが特徴です。
そのナチュラルでやさしい風合いが醸し出す雰囲気は、ITなどの最先端職業のイメージや、クールな夜のイメージではなく、次のような職種の名刺に向いていると言えるでしょう。
- カフェやレストランなど昼のイメージの飲食店
- 自家製酵母のパン屋や自然食品専門店などナチュラルメイドの食料品店
- アクセサリーや服飾などハンドメイド小売店
- 個人クリエイター・作家
- 有機野菜や無添加食品などの販売営業職
クラフト名刺のデザイン

それでは実際にクラフト紙を使って名刺をデザインする場合の注意点について考えてみましょう。
一番のポイントは、紙色自体が茶色をしているということを、うまくデザインに落とし込むことを考える必要があります。
地の茶色と相性のいい色
漂白をせず木材由来のさらしの薄茶色をしている紙のため、名刺デザインをする際に考えなければならないことは、茶色と相性のいい色を使用するということです。
一般に茶色と相性がいいとされている色は、おおむね次の通り。
- 白:特に濃い茶のクラフト紙の場合は、メリハリの利く白色との相性は抜群です。
- ベージュ・アイボリー:薄め茶色のクラフト紙の場合は、同系の中間色となるベージュやアイボリーなども、白色と比べるとナチュラルな印象が強くなります。
- 黒:紙色の別を問わずデザインを引き締めてくれる黒は、やはり万能の印刷色です。特にシックな印象を強めたい場合は茶と黒のバランスでデザインするのが良いでしょう。
- 赤:同系色にあたる茶と赤は、色のバランス的にも良い効果を生み出します。特に明るめの茶色クラフト紙の場合は、はっきりと赤が目立つためおすすめです。
- 紫:少し意外な感じがするかもしれませんが、茶色のベースに紫を合わせるのはデザインバランス的にも意外なおしゃれ感を演出します。薄めの紫ならよりナチュラルさを、濃いめの紫ならエレガントなおしゃれさが際立ちます。
- 茶色:薄めの茶色地に濃いめの茶色を合わせるなど、デザインをすべて濃淡の違った茶色だけで構成することも、よりナチュラルテイストの名刺デザインのためには有効です。
- 緑:地面や木々を思わせる茶色と、葉っぱの色を連想させる緑の組み合わせは、両方ともアースカラーということもあってすっきりと落ち着きます。ウッドクラフトやネイチャーファームなどの店舗名刺にはピッタリです。
>>【名刺に使う3つの色】基本12色のイメージとおすすめの職種【徹底解説】
白色は印刷できない
家庭用のプリンターでは基本的に白色は印刷できません。
どころか、家庭用プリンターでは紙色よりも薄い色合いのインクを印刷することは、下地に影響されてしまい思ったような印刷色が出ないことがほとんどです。
白やアイボリーなどの薄めの色でデザインしたい場合は、専門の印刷業者に発注するなどの方法をとる必要があります。
印刷会社のサンプルを取り寄せる
クラフト紙と一口に言っても、その手触りや茶色の濃淡はさまざまな違いがあり、実際に名刺にしてみたら思ったような色合いではなかったということは往々にしてあるものです。
そのため、印刷会社に発注する場合でも、同社が保有しているクラフト紙の用紙サンプルを一旦は取り寄せて、実際に目と指先で確認をしてみることをおすすめします。
自作する際のA4クラフト用紙
クラフト紙自体はネットや街の文具店などで手に入れることは容易ですが、自宅やオフィスのプリンターで名刺を印刷する場合は、どのような用紙を選べばよいのでしょう。
ここでは、家庭用プリンターでクラフト名刺を印刷する場合におすすめの用紙をご紹介します。
エーワン(A-one)マルチカード茶色

マイクロミシンカットタイプのクラフト名刺用紙で、比較的薄めの茶色が特徴です。
A4用紙1枚に10面カットがほどこされ、10枚入りで100枚の名刺を作ることができます。
エーワン(A-one)マルチカードこげ茶色

上記の商品と同様の品ですが、こちらの方が濃いめの茶色をした商品です。
ペーパーエントランス名刺用紙

中厚口の薄茶色クラフト紙です。A4用紙にミシン目加工入り25シート。
>>ペーパーエントランス 名刺用紙 クラフト紙 中厚 切取りミシン加工 25シート(名刺250枚分) 50520(amazon)
エレコムなっとく。名刺くるみ

エレコム製のマイクロミシン加工の名刺用紙で、くるみ色の薄い茶色。0.22mmの厚口のため、しっかりとした名刺が作成できます。
まとめ
ナチュラルテイストでおしゃれなカフェ風名刺が作れるクラフト紙。
そのイメージから自然素材を扱う店舗型ビジネスにはおすすめの名刺ですが、クリエイターを中心としたフリーランスにも非常に相性のいい素材です。
地の茶色をうまく生かしたデザインを行えば、その手触りとも相まってやさしく穏やかな印象を与えることができるでしょう。
そんなテイストをうまく使いこなして、おしゃれなクラフト名刺を自身のブランド戦略に役立ててください。