ビジネスシーンでは欠かせない名刺交換の場で、初対面の相手に自身のブランドイメージを明確に伝えるためには、印象に残る名刺を用意するのがおすすめ。
そのためには、名刺のデザインに凝るだけでなく、手ざわりまでこだわってみるのはいかがでしょう。
エンボス加工された名刺用紙を利用したり、ロゴマークなどを凹凸加工で立体的に表現したりすれば、手ざわりでも違いが感じられる、個性的な名刺を作ることができます。
通常こうした立体的なエンボス加工は、専門の業者に任せるしか無いと思われがちですが、実は工夫をこらせば自作することもできますので、業者の作成最低数などに捕らわれず、ごく限られた枚数の名刺を作るこができます。
この記事では、そんなエンボス加工した名刺を自宅で作る方法について紹介します。
デザインだけでなく手ざわりにもこだわった、おしゃれで印象に残る名刺が欲しい方は、どうぞ最後までご覧ください。
手ざわりで印象を残すエンボス加工した名刺
用紙にエンボス加工が施された名刺であれば、初対面の印象を手ざわりだけで相手に残すことができ、自社や自身のブランディングのためにも、非常に有効なPRツールとなります。
では、ひとくちにエンボス加工といっても、どのような種類があるのでしょうか。
エンボスとは浮き出し加工
そもそもエンボス(Emboss)とは、凹版と凸版の1セットの型の間に板金や紙などをはさみこみ、プレスすることで文字や絵柄などを浮き彫りにした加工のことをいいます。
エンボス加工は別名を「浮き出し加工」ともいい、表側に文字などが浮き出した加工方法です。
逆に表側が凹み、裏側が盛り上がった加工を「デボス加工」、厚手の用紙を用いて、裏側は平らなままで表側から圧力をかけて凹ましただけの加工を、「空押し加工」と呼んで区別します。
文字やワンポイントのエンボス加工
文字やロゴマークなどのワンポイントをエンボス加工することで、単なる平らな用紙にアクセントを付けることができ、控えめなおしゃれを演出することができます。
また、浮き出した部分に金や銀などの箔をかけた「箔押し加工」を同時に施せば、おしゃれなうえに高級感のある名刺となります。
エンボス加工された用紙
文字やロゴマークをエンボス加工するのではなく、紙自体にエンボス加工が施された用紙を選ぶのも、手ざわりのある名刺を作るにはおすすめの方法です。
幾何学模様や花がらなどの連続模様、不規則な模様を用紙全体にプレスすることにより、高級感がある名刺用紙となります。
エンボス加工された用紙を利用する場合は、あまり画像などは使わず、シンプルで厳選したテキストデータのみを利用するのが、見やすく印象に残る名刺を作るポイントです。
>>【名刺用紙】上品でおしゃれな名刺にぴったりなエンボス加工された用紙21選
エンボス加工した名刺を自作する方法
エンボス加工された用紙は、なかなか自作するというわけにはいかないですが、イニシャルやロゴマークなどのワンポイントであれば、自宅で自作することも可能です。
専門の業者に頼むような複雑な意匠を加工することは難しいですが、かんたんな模様であればちょっとした工夫で作成できます。
3Dプリンタで型を作る
数年前から話題になり、一般家庭にも普及してきた3Dプリンタ。
最近は比較的安価なモノも販売されるようになってきましたので、これを使ってエンボス加工の型を作るのはいかがでしょう。
凹凸の版を1組作ってプレスすることにより、かんたんなワンポイントのロゴ程度であれば、きれいにエンボス加工をすることができます。
複数の文字や模様を組み合わせたロゴデザインや、社名や個人名などのテキストデータは、凹凸の2つのローラーを作ることで、きれいなエンボス加工も施すこともできますが、そこまで精巧な3Dデザインを作成するのは、かなり専門的な知識が必要となるかもしれません。
型押し機を使う
3Dプリンタがあれば原則的には、どんな模様のエンボス加工も作ることができます。
しかし、それには当然それなりの先行投資と、ある程度の技術が必要なのはまちがいありません。
では、それらのどちらも持ち合わせていない場合にはどうしたらいいのでしょう。
その場合には、好きな図柄を自由に製作するというわけには行きませんが、エンボッサーと呼ばれる型押し機を利用すれば、イニシャルなどを手軽に安くエンボス加工することができます。
封筒やレターヘッドに押印するエンボッサー
エンボッサーとは、欧米では公的文書などで署名のとなりに押され、日本でいえば印鑑のような使われ方をするスタンパーです。
封筒やレターヘッドなどに押印することにより、差出人個人を特定する意匠として役立ちます。
小さなホッチキスのようなハンディタイプから、少し大きめの卓上型パンチのようなモノまで、サイズも価格もさまざまな種類が用意され、ネットなどでかんたんに注文ができるのがうれしいところ。
スタンプ部のアダプターを付け替えることで、複数の文字やイラストをエンボス加工できるようになっているものもあります。
千円程度~数万円まで色々あるエンボッサー
エンボッサーはアルファベットのイニシャル1文字や、ちょっとしたアイコンのようなイラストなどを押すことができるシンプルなモノは、数百円程度から手に入れることができます。
ここで紹介するMIDORIのエンボッサーなら、美しい筆記体飾り文字のアルファベットや、花や動物、ハートなどをモチーフにしたイラストなど、37種類の図柄が選べます。
本体とカートリッジをあわせても千数百円程度で購入できますので、安価におしゃれなエンボス加工した名刺が手に入ります。
また、ある程度の金額はかかってしまいますが、丸型や角型など、提携レイアウトを選んで好きなテキストやフォントを組み合わせて、セミオーダーできるタイプのエンボッサーも、かんたんにネットで注文することができます。
特殊インキを使う
紙面に塗布した後に、熱を加えることにより発泡して盛り上がる特殊インキを利用すれば、好みの図柄にエンボス加工を施すことができます。
専用のインクパッドを用意して、好みのスタンプを名刺に塗布。
その上からエンボスパウダーをふりかけて、専用のヒーターやアイロンなどで加熱すると、パウダーが溶けて絵柄が盛り上がってきます。
ワンポイントのアイコンイラストなどをエンボス加工するには、手軽でおすすめな方法です。
番外編/エンボス加工を扱う業者に頼む
印刷まで完了した名刺を用意して、こうしたエンボッサーを用意すれば、かんたんにエンボス加工した名刺が作成できます。
この場合、パソコンと家庭用プリンタ、既成の名刺用紙を利用することで、1枚からという小ロットでも作成できるのがメリットです。
しかし、そこにかける手間と費用を考えた場合、エンボス加工の名刺を作成してくれる、専門の印刷業者に頼むというのも、時と場合によっては選ぶ価値はあります。
- フリーランスや同人名刺など、それほど枚数を必要としない個人名刺では、エンボッサーを利用する。
- 100枚以上の枚数を最初から必要とする、企業の名刺などでは専門の印刷業者を利用する。
このように、ケースによって使い分けることを考えてみても良いでしょう。
まとめ
この記事では、初対面で相手に好印象を与える名刺のアイデアとして、エンボス加工を利用する方法について解説してまいりました。
エンボス加工された名刺を渡された相手は、思わず表面を指でなぞってしまいたくなるものです。
デザインだけでなく手ざわりにまでこだわった名刺。
それは、渡した相手に好印象を残す、おしゃれで上品な名刺です。
自社や自身のブランドイメージを高めるためにも、ぜひともエンボス加工された個性的な名刺デザインを、あなたの強力な営業ツールの1つに加えてみてください。