【飲食店・小売店】和風店舗が作る和風デザインの名刺作成アイデア

コラム

寿司屋や天ぷら屋などの日本料理の専門店や、懐石割烹や居酒屋といった飲食店、さらには和装店や和モノを扱う小売店などの和風系店舗では、お客様に配布する名刺も和風イメージのものを用意したいものです。

この記事では、そんな和食系の飲食店が和風名刺を製作する場合の、用紙やフォント選び、さらにデザインのコツについて解説いたします。

ここに書いたことを参考にすれば、自店のブランドイメージにあったおしゃれな和風名刺を製作するポイントを理解することができ、お客様との円滑なコミュニケーションの助けとなってくれるでしょう。

店舗用名刺の重要性

店舗用名刺の重要性

和風名刺を作るためのアイデアをご紹介するために、一旦店舗においての名刺がどのような役割を持っているのかを、再確認しておきます。

このことを先にふまえておけば、和風名刺に求められるポイントが自ずと見えてくるはずです。

名刺は店の顔

名刺とは、初対面の相手と会う時に、互いの身元を証明したり、自らのブランドイメージをアピールするためのものです。

これは店舗型ビジネスの場合でも変わりありません。

店舗の名刺とは、来店したお客様に対して、自身がどういうポジションにあるのかという身元を証明し、同時に自店の店舗イメージを雄弁に物語る営業ツールであるべきです。

顧客とスタッフをつなぐ名刺

店舗が作る名刺には、スタッフの個人名が記載されたものと、店の名前だけが記載されたもの(ショップカード)の2種類があります。

中でも個人名刺の場合は、スタッフ個人をお客様へ売り込むという意味合いが強いものです。

時には個人名だけでなく、ニックネームを記載するなどすれば、お客様とスタッフのコミュニケーションアイテムとしても役立ってくれます。

和風名刺を作るアイデア

和風名刺を作るアイデア

和風名刺を作る際のアイデアのポイントは大きく分けて3つ。

  • 用紙の選択
  • 書体の選択
  • デザインの構築

です。

それぞれについて詳しくご紹介します。

和風の名刺用紙

和風のイメージを醸し出す名刺用紙選択のポイントは、ズバリ

  • 高級感:和食店舗らしい落ち着いた雰囲気を演出
  • 見た目:和を感じさせる色合いや、和柄の用紙で見た目から和をアピール
  • 手ざわり:「ツルツル」より「ザラザラ」が、より和を感じさせる

といったものです。

この3点をふまえた上で、和風名刺にふさわしい用紙の例をいくつか紹介します。

手漉き和紙

その名の通り日本古来の製法で作られた、手漉きの和紙を利用した名刺用紙です。

通常の用紙のように大きな紙に印刷したものを裁断するのではなく、最初から名刺サイズに作られた用紙ですので、周囲も自然な「ヨレ感」を持っています。

大礼紙

花びらを散らしたイメージの、細い繊維模様が用紙一面にランダムに散りばめられた用紙です。

昭和天皇が即位された大礼の儀式にちなんで作られた和紙で、冠婚葬祭の案内状や、礼状などフォーマルな書式に利用されることも多い、格調高い和風用紙です。

しこくてんれい

大礼紙を洋紙にアレンジした名刺用紙です。

白だけでなく、「うすちゃ」「さくら」「うみ」など、和の趣ある名前がつけられた、淡い中間色の色合いが用意されています。

白桜

ケント紙の一種とはなりますが、ワンランク上の高級感を持つ名刺用紙です。

厚みがありしっかりとしたコシの強さと、やわらかい紙の繊維を感じさせる紙質で、落ち着いた和風名刺をさり気なく演出します。

和柄エンボス加工紙

和紙のような手ざわりを感じさせる模様や、小花や桜花紋などの細かい模様を、人工的にエンボス加工(紙自体をプレスして作る凹凸加工)で用紙に散りばめた和風用紙です。

木製名刺

紙以外の素材としては、ヒノキなどの端材を加工して、名刺サイズにした木製名刺もおすすめです。

1つとして同じものがない節目の模様や、ほんのりと立ち上る木の香りが、高級感のある和のイメージを醸し出します。

>>参考記事【こだわりの名刺を作りたければ紙の種類へのこだわりを持とう】

和風の書体

数ある印刷用書体(フォント)の中で、特に和風イメージの強い書体は、次のようなものがあります。

楷書体(かいしょたい)

明朝体の影響を受けつつも、その中でも手書き文字のような自然なデザインを持った書体で、判読性が高く格調高いイメージを演出できます。

行書体(ぎょうしょたい)

楷書体が1画1画をしっかりと書いているのに比べ、行書体は書道の時のように線と線が一部つながって表現された書体です。

草書体(そうしょたい)

さらさらと筆で書いたような書体で、行書体よりさらに線のつながりが見られ、一部省略されて書かれた部分もあるなど、日本語独特の美しさがありますが、なれないと少々読みにくい文字です。

隷書体(れいしょたい)

印鑑などに使われる書体の中ではもっとも判読性が高く、全体的に太めの線が使われた書体です。

古印体(こいんたい)

奈良時代の寺社で使用されていた印鑑用書体が再現された書体で、先の太さが均一でなく、波打った丸みのある字体は判読性にもすぐれています。

オリジナル和風書体

ここで紹介した5書体以外にも、和風を感じさせる書体は無数に存在します。

特にフリー素材のオリジナルフォントなど、個性をアピールできる書体もありますので、そういった書体をあえて選んでみるのもおもしろいでしょう。

>>名刺をおしゃれに仕上げるためのフォント12選【選び方のNGも紹介】

和風名刺を活かすデザイン

次に注目するポイントは、名刺全体のデザインです。

和を感じさせる色調

和風名刺を作るにあたって、紙の色とインクの色の相性を考えることが、和風のイメージを強く押し出します。

一般にはっきりとした原色を用いるより、用紙の色もインクの色も、中間色を用いた配色とすることが、和のイメージを演出するコツです。

画像よりテキストを中心に

店舗で利用する名刺の場合、店内写真や料理写真を名刺に載せてアピールしたい場合もあるかもしれません。

しかし、あえて画像などは使わずに、和書体のテキストだけの方が、より和風のイメージは強くなります。

表面と裏面の使い分け

名刺というものは当然のことながら、表裏が存在します。

その両面をうまく使い分けることでも、和のイメージを強く打ち出すことができるでしょう。

表面は完全に和柄でまとめる

表面を完全に和風の柄と店名など、店舗のブランドイメージを表現した情報のみでまとめます。

個人名や細かい店舗データは裏面へと回すことで、表面の視覚的イメージを、より強くアピールすることができるでしょう。

URLなどの英字データは裏面に

近年の店舗名刺では、ホームページのURLや、SNSアカウントなどの掲載が欠かせません。

それら英字のデータを大きくアピールすれば、和風のイメージとは大きくかけ離れる名刺となってしまいます。

そのため、これらのデータや、そのQRコードなどはすべて裏面にまとめて表現することが、よりブランドアピールのできる名刺作成のポイントと言えるでしょう。

まとめ

この記事では、和食系飲食店や和モノを扱う小売店などの店舗型ビジネスが製作する、和風名刺の作り方のポイントを解説してまいりました。

  • 用紙の選択
  • 書体の選択
  • デザインの構築

これら3要素をうまく組み合わせることで、自店の店舗ブランドをよりお客様に強くアピールできる、最高の宣伝ツールを手にすることができるでしょう。

しかし、特に配色によるデザインなどは、なかなか独自で用意することが難しいかもしれません。

日々の営業に追われる飲食店の場合は、こうしたことにエネルギーを割くよりも、最初からプロのデザイナーや印刷業者のテンプレートを利用する方が、効率的に高品質な名刺を手に入れられる場合もあります。

ネット印刷の業者などをよく精査して、人的、時間的、費用的なコストパフォーマンスにすぐれた、かしこい名刺製作を心がけてください。

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