パソコンと家庭用プリンターを使えば、ビジネスでの使用に耐えうる名刺作成は自身でもかんたんに行えます。
しかし、クオリティ面だけでなく手間と時間にかかるコストの問題も兼ね合わせると、やはり名刺作成は外注を選ぶという選択肢は捨てきれません。
そこでこの記事でははじめて名刺を外注に頼む場合、できあがりを見て後悔しないようあらかじめ確認しておくべきことを、7つの項目に分けて解説します。
これまで名刺の外注を使ったことがある方も、改めて自社の名刺作成を見直すきっかけとしてご利用ください。
1.デザイン料

名刺を作成するといっても、まずはデザインがなければ印刷そのものができません。
このデザインを作成する方法としては主に次の3つが考えられます。
- 印刷とは別にデザインを発注する
- 印刷会社の保有しているテンプレートをアレンジして使う
- 自分でデザインする
この3つの手法により、それぞれやらなければならないことや料金も変わってきますので、それぞれごとに解説いたします。
デザインと印刷を別に外注する
自社や自身のブランドに合わせて、クオリティの高いオリジナルデザインの名刺を手に入れたい場合は、デザインのみをデザイナーに発注する必要があります。
この場合の価格相場は、どういったルートでデザイナーに発注するかということによってまちまちです。
- クラウドソーシングでデザイナーを探して依頼する
原則的にフリーのデザイナーが多数登録しているクラウドソーシングでは、一般にデザイン会社に頼むよりも安価で済むことがほとんどです。
プロアマ混交で登録されているため、デザイナー自身のレベルの差が大きいというデメリットもあります。
- 印刷会社のデザイナーに依頼する
印刷を頼む予定の会社にオリジナルデザインを依頼する方法は、デザイン単体を頼む場合より安く済みます。
印刷とデザインを同じ会社に依頼するため発注の手間も1度で済みますが、対応していない会社もあるので確認が必要です。
- ネットなどでデザイン専門会社を探して依頼する
デザインを専門で行っている会社に名刺デザインのみを別途発注する方法です。
規模の大きい企業などでCIの一環としてロゴデザインなども発注することができますが、費用はもっとも高額となります。
いずれの場合でもどういったイメージのデザインにしてほしいのかなど、できるだけ細かく要望を伝えることが肝心です。
>>美しい名刺はデザイナーに依頼しよう!デザイナーの価格相場と依頼時の注意点
印刷会社のデザインを使う
名刺印刷を請け負う会社では、あらかじめ多種多様なデザインテンプレートを用意していることがほとんどです。
こうしたテンプレートを選んで色替えや微調整といったカスタマイズを指定し、テキストデータを専用フォーム等に入力するだけでかんたんにデザインができあがります。
多くのネット印刷会社が採用する方法で、ほとんどの場合デザインテンプレートの使用料もかかりません。
ただし既存のテンプレートを選ぶ以上、他社とかぶる可能性が絶対にないとは言い切れないといった懸念はあります。
自分でデザインをする
デザインのみパソコンなどを利用して自身で作成し、印刷はクオリティの高い専門業者に外注するという方法です。
特別な費用が発生すること自体はありませんが、作成に慣れた人でなければそれなりの手間と労力が発生しますので、そこをどう捉えるかは人それぞれと言えるでしょう。
2.印刷方式と製作部数

名刺印刷は大きく分けて次の2つの印刷方法に分けられます。
- オフセット印刷
- オンデマンド印刷
この2つはそれぞれ印刷の手法が違うため、できあがりの質にも若干の差異はあるものの、一番大きな違いは最適な製作部数により使い分けるといった点です。
下記の記事をご覧いただければ詳細な解説を掲載してありますが、おおむね100枚以上ならオフセット印刷で、それ以下の枚数で良いのならオンデマンド印刷を選ぶと良いでしょう。
>>名刺の印刷はオフセット印刷とオンデマンド印刷どちらがいいの?
3.オプション料金

名刺レイアウトの工夫だけでなく、さまざまな手法で初対面の相手に好印象を残す名刺を演出することができます。
用紙による違い
用紙による違いはもっとも端的に名刺の印象を変えてくれます。
厚みが変わるだけでカジュアル~高級感へと相手に与える印象も変わりますし、エンボス加工された用紙や和紙系の用紙なども求める演出のためには有効です。
さらに色のついた用紙を選ぶことで、ブランドイメージを演出するには大きな助けとなってくれます。
ただし、紙の厚さや種類といった紙選びというものは、もっとも価格に直結してくる要素ですので、慎重に行いたいものです。
>>こだわりの名刺を作りたければ紙の種類へのこだわりを持とう
特殊加工
名刺に施すさまざまな特殊加工により、相手に与える印象は180度変わる場合もあります。
受け取った相手に自身のブランドイメージを的確に伝えるために、こうした特殊加工を施してみるのも良いでしょう。
角丸加工
キャッシュカードのように名刺の四隅を丸く加工します。
やさしいイメージの名刺となりますので、特に女性向けの名刺としては人気も高く、名刺ファイルに保管された後でも目立つこと間違いなしです。
エンボス加工
社名や店名、あるいはロゴマークなどデザインの一部を両面から型でプレスすることにより、凹凸を持たせる加工法です。
手ざわりとしても変化が楽しめ、控え目ながら個性が発揮できますので、スタイリッシュな演出をしたい名刺に向いています。
箔押し加工
金や銀などの金属片を極薄上に伸ばし、熱をかけて対象物に圧着させる加工法です。
ロゴや名前、あるいはデザインの一部にキラキラとしたメタリックな輝きを持たすことが出き、高級感の演出に一役買います。
ゴージャスな見た目の名刺を作りたい場合にはおすすめですが、ワンポイントの利用などでは引き締まった印象で信頼感のアップにもつなげることができるでしょう。
>>キラリと光る!箔押し加工でワンランク上の名刺はインパクト抜群!
4.修正依頼

印刷会社への外注(もしくはデザイナーへの外注)の場合、通常はデザインができあがった段階で印刷イメージを確認することができます。
この時点でイメージと違うモノであった場合は、それを指摘して修正を願い出るわけですが、この修正依頼の回数が決められている場合がありますので注意が必要です。
決められた回数以上の修正を願い出る場合は追加料金が発生することもありますので、できる限り最初の段階でイメージを詰めておくようにしましょう。
5.送料

印刷料金に加えて送料が別途かかるのか。もしくは送料込みの価格なのか。これもあらかじめ確認しておくべき項目です。
安いと思って頼んだのに、結局送料が別途で高いものについたということは往々にしてありますので、要チェックポイントと考えてください。
6.納期

近年のネット印刷各社では、オプション料金を払えば短期納品ができたり、時間がかかっても良いのなら安く印刷できたりと、納期によって金額が変わるということがありますので、自身の用途・要望に合わせて選び分けてください。
7.ファイルの譲渡

意外と見落としがちなポイントですが、デザイン自体も印刷会社に任せた場合、そこでできあがったデータを譲渡してくれるかどうかという点があります。
2回目以降は自身のパソコンで印刷したり、別の業者に任せたいというような場合でも、完成したデザインファイルの有無が問題になりますので、そういった可能性がある場合はあらかじめ確認しておきましょう。
また、同一の会社に追加発注する可能性のある場合も、ファイルの保管期限というものが各社決められていますので、そちらも同様にチェックが必要です。
まとめ
名刺作成を外注に任せる前に確認しておきたい7つの項目をご紹介いたしました。
こうした各項目を1つずつ確認しておくことで、できあがりを手にした時に後悔する可能性は減少するはずです。
いずれの場合でも大切なのは、
- 自分がどういう名刺を作りたいのか
- その名刺でどのようなメッセージを伝えたいのか
- 自身のブランドのコンセプトはどのようなものか
こうしたことを明確にしておくことに他なりません。
自身の身元・所属を明らかにして、ブランドイメージを高める大切なビジネスツールである名刺をより強力な武器とするためにも、このような項目に注意しつつ最適な業者選びを行ってください。