ビジネスシーンで初対面の相手に、自分や自社のブランドを相手の印象に強く残すためには、こだわりの名刺を用意するのが近道です。
しかし、フリーランスのクリエイティブ職などでもない限り、突飛な変形名刺など、あまり凝りすぎた名刺を用意するのも考えものです。
そんな時は名刺の紙の種類にこだわることをおすすめします。
この記事では、一般に名刺に使われる紙の種類から、印象に残るおすすめの用紙をご紹介します。
これを読めば、もう名刺の紙質選びで迷うこともなく、あなたにピッタリのこだわりの名刺が手に入ります。
おすすめの名刺用紙
世にあふれる紙質は、実に多種多様な種類があります。
その中で名刺に使用する用紙だけでも、バリエーションは数多く存在し、そこからどれを選択するかが、センスの見せどころと言えるでしょう。
一般的な用紙
マットコート紙

一般的なビジネス名刺に使用される用紙と言えば、まずはこのマットコート紙です。
表面につや消し処理がなされた用紙で、手ざわりもサラサラとした質感で、印刷のノリも良いため、多くのユーザーに選ばれています。
光沢紙(コート紙)

マットコート紙と同じ素材ながら、表面にツルツルの塗加工が処理された、光沢感のある名刺用紙です。
写真など画像印刷に向いた鮮やかな発色が特徴で、デザイン名刺などによく利用されます。
上質紙(ケント紙)

マットコート紙よりもさらにつや消し感のある、ナチュラルな紙の素材感が特徴です。
表面に加工がなにも施されていないため、ペンで書き込みをする際には便利ですが、インクの発色はあまり良くないため、画像などを使った名刺にはおすすめできません。
上質紙より若干色の再現性が高い図画用紙であるケント紙も、ほぼ同様な使用感です。
特殊紙
ヴァンヌーボ

手ざわりがかなりざらついた質感で、落ち着いた風合いを持った用紙です。
紙の質感を活かしたワンランク上の高級紙で、一般企業の役職者や、会員制サロンなどの店舗型ビジネスなどにも向いています。
サテン金藤

表面につや消し加工が施され、光沢を抑えながらもインクの発色性を兼ね備えた用紙です。
マット紙の質感とコート紙の美しさをあわせもった用紙で人気ですが、見た目はさほど特別感はありません。
ミラーコート

コート紙の片面に、その名の通り鏡のような強い光沢の表面加工が施された用紙です。
ポストカードや写真用紙のような発色性が特徴で、金や銀といった特殊メタリック印刷なども映え、強いインパクトを残すことができます。
しこくてんれい

大礼紙を洋風にアレンジした、ファンシーペーパーの一種です。
和紙風の羽のような繊維が入っているため、表面がツルツルしていながら、紙の見た目にコントラストが利いています。
クラフト紙

パルプ材を原料として、漂白作業を行わず作られた用紙です。
ダンボールや重量物の梱包用紙にも使われるなど、丈夫さに定評のある紙で、茶色い風合いも相まってエコなイメージを与える事ができます。
ただし、印刷のノリはあまり良くないため、画像などの利用には向いていません。
トレーシングペーパー

図面の複写(トレース)などに用いられる、半透明の用紙です。
厚手のトレーシングペーパーを名刺に用いれば、一風変わったインパクトのある名刺を作成することができますが、裏が透けるため片面印刷にしか対応はできません。
紙以外の素材
名刺に利用する用紙は、紙製だけとは限りません。
紙以外の素材を利用した名刺を用意すれば、ライバルとの差別化を計り、印象に残るこだわりの名刺を作ることができます。
プラスチック素材
紙素材以外でもっともよく使われるのは、プラスチック系の素材です。
中でも名刺に利用するには、次の2種類をおすすめします。
メタリックフィルム
ポリエステルフィルムを利用した名刺用紙で、表面にメタリック処理が施されています。
金属製の表札のような、メタリック素材を感じさせる、印象的な仕上がりが特徴です。
透明名刺
コチラもポリエステルフィルムを利用して、無色透明に加工されたスケルトン素材の名刺用紙です。
光に反射して輝くため、名刺に利用すれば圧倒的に個性的な名刺が作成できます。
木製素材
天然木の端材を名刺の厚さに加工して、それに印刷を施した名刺です。
表面に現れる木目は1枚たりとも同じものはなく、言葉の通りオンリーワンの1枚を作ることができます。
ただし、下地の木目が透けたように見えるため、ベタ塗りはあまり向いておらず、全体的にややくすんだ印刷となるため注意が必要です。
金属素材
ポリエステルフィルムをメタリック加工した素材ではなく、アルミなどの軽金属を極薄加工した、文字通りの金属名刺です。
怪我防止に角を丸くカットして利用されますが、こだわり抜いた特別な名刺が欲しい方にはおすすめです。
特に黒1色の印刷では、クールでスタイリッシュなイメージを演出します。
ライメックス(LIMEX)
石灰石を主原料とした新素材の名刺用紙です。
自然にインパクトを与える水や木をほとんど使わない素材で、完全リサイクル可能なため、エコをアピールしたい名刺にはうってつけです。
耐水性・耐久性も紙とは比較にならない性能を持っており、濡れてもフニャフニャになるようなこともありません。
こだわりの名刺用紙の選び方
名刺用紙を選ぶ際にこだわりたいポイントは、次の通りとなります。
紙の色
紙質にこだわるのはもちろんですが、紙の色自体にこだわってみるのも一考です。
しかし、カラーペーパーでは完全な「白」が表現できないため、それを考慮したデザインが必要となります。
紙色と印刷色のバランス
カラーペーパーの印刷では、どうしても下地の色にインクの色が影響されてしまいます。
そのため、最初からそれを考慮したデザインを考える必要があります。
特に濃い色の紙質の場合は、画像などを用いるよりも、インクの色を1色のみで、ベタ塗りをうまく使った印刷の方がより効果を発揮します。
紙の厚さ
紙の厚さというものは、重量で換算された単位のkgがよく利用されます。
通常のビジネス名刺で利用されている厚さは、官製はがきで利用されている用紙と同等の、180kgが中心です。
これを基準として、丈夫な紙質のものであれば数値が低いものを利用するのもいいでしょう。
高級感を演出したい場合は、200kgオーバーの厚手の用紙を利用するのがおすすめです。
>>名刺に最適な厚みの用紙とは?名刺の厚みが印象を左右する!
紙質
「ツルツル」や「サラサラ」といった、名刺用紙の紙質そのものにこだわるのが、一風変わった印象深い名刺を作るコツです。
特に表面にエンボス加工(凹凸加工)を施された用紙などは、手ざわりも独特な紙質のため、他との差別化がはかれます。
おすすめは用紙サンプルの無料請求
しかしそうはいっても、用紙の手ざわりなどの質感は、実際の用紙を手に取ってみないと何とも判断がしづらいものです。
また、パソコン画面で見ているだけでは、印刷後のインクのノリも今ひとつよく分かりません。
そのため、印刷業者によっては用意されている、用紙の無料サンプルをあらかじめ請求するのがおすすめです。
その業者で扱っている名刺用紙に、実際に印刷を施したサンプルを確認した上で、自分のイメージにピッタリあう用紙をチョイスするようにしましょう。
まとめ
この記事では初対面の相手にインパクトを残せる、こだわりの名刺を作るコツを、用紙にフォーカスして解説してまいりました。
しかしここで紹介した紙の種類は、膨大な種類の中ではごく一部の例でしかありません。
また、印刷業者によって用意された用紙の種類も異なりますので、名刺を発注する場合には数社から用紙サンプルを取り寄せて、価格とあわせて検討してみることをおすすめします。
徹底的に紙質にこだわった名刺を用意して、ビジネスのファーストコンタクトで勝ちをつかんでください。
用紙サンプル引用:HEIWA PAPER,TAKEO,WAVE