カフェやダイニングバーなどの飲食店、ヘアサロンや輸入雑貨屋などの小売店。
それらの店舗型ビジネスだけでなく、フリーランスやベンチャー企業などのクリエイティブ職の場合、おしゃれな名刺を用意してライバルに差をつけたいものです。
この記事では、デザインだけでなく用紙や名刺の形など、おしゃれな名刺を作る際のこだわるべき5つのポイントをご紹介します。
これを読めば、初対面の相手に自身や自社をスマートに印象づけることができ、ブランディング効果のあるおしゃれな名刺を手に入れることができるでしょう。
おしゃれな名刺を作るポイントとは?

一般の企業などではあまり冒険ができない名刺デザインも、クリエイティブ職のフリーランスや、個性あふれる店舗などでは思い切ったものを用意することができます。
そんなおしゃれな名刺とは、色使いや紙質など、どこか1点でも細かいこだわりを持たせる必要があり、単に情報を羅列しただけではありきたりの名刺しかできません。
おしゃれな名刺のこだわりポイントは、大きく分けて次の5つです。
デザイン

おしゃれな名刺を作る最初のポイントは、やはりデザインです。
ただやみくもに必要なデータを詰め込むだけでなく、名刺に記載するデータ自体を取捨選択する必要がありますし、それをどのようにレイアウトするかも、オシャレ名刺を作る際のセンスの見せどころです。
名刺の黄金比
名刺のレイアウトをする場合は、人がもっとも「安定して」「落ち着いて」美しいと感じる「黄金比」を考えることが大切です。
1:1.618で表せられる比率ですが、そもそも一般的な名刺自体が、ほぼこの黄金比に近い比率で作られています。
そのため名刺に盛り込むデータも、黄金比を意識してレイアウトすれば、おしゃれで美しいデザインの名刺を作ることができるでしょう。
>>名刺サイズは黄金比が基本|黄金比を意識したデザインの作り方
フォント

名刺の中で使用されているフォント(書体)は、その名刺自体のイメージを決定づけ、ひいてはそれはその人の所属する集団や職種のイメージをも連想させます。
自身の職種や業態の持つイメージと、いちじるしくかけ離れたイメージのフォントは、見る人を混乱させ、とてもおしゃれとは言えません。
ここでは個性を演出する一風変わったフォントを、おすすめの業種・業態とともにご紹介します。
おしゃれなフォント例
- 源ノ角ゴシック:極細から極太まで7種類の太さがあり、それらを使い分けることにより、どんなサイズで使っても可読性が高いフォントです。あらゆる業種・業態に適応可能で、広い分野で利用できます。
- うつくし明朝オールド:明朝体の一種で、やさしい印象を与えてくれるフォントです。かわいらしい雰囲気で、特に女性フリーランスの名刺などには向いています。
- あさご本丸ゴシック:文字を書く時の切れ目を切らず、端々をくるりと丸めた丸ゴシック体ベースのフォントです。文字自体はさほどくずしていないものの、どこかエキセントリックな印象を持ったフォントで、カフェやサロンなど、個性的な店舗などに向いています。
- Geo Sans Light:細身のゴシック体ベースで、大胆で可読性にすぐれた欧文フォントです。幾何学的なデザインのため、クリエイティブなデザイナーやライターの名刺に使えば、クールな印象が与えられます。
- Selima Script:万年筆で筆記体を書いた印象のスクリプト体の一種となる欧文フォントを、筆で書いたように太さの強弱が際立たせたフォントです。データ部分より社名などアイキャッチ性の高い部分への利用に向いています。
なお、こうした個性的なオリジナルフォント以外の、一般的なフォントの解説は、次の記事も参考にしてください。
>>名刺をおしゃれに仕上げるためのフォント12選【選び方のNGも紹介】
色使い

おしゃれな名刺を演出する上で、次に考えたいのは色使いです。
用紙の色や背景色と、それに乗せる文字の色バランスを考え抜くことで、相手に対して与える印象を操作することができます。
配色により与える印象の例
具体的に色の組み合わせによって与える印象を、ここでは3例ご紹介します。
- 信頼感を演出する配色:ベースを白に近い明るめの色とし、そこに寒色系(青、紺など)の文字やロゴを乗せれば、クリーンで誠実な印象を与えることができます。士業や医師など、信頼性を求められる業種・業態にはもっともおすすめな配色です。
- ポップで軽快な配色:なるべく多数の色を組み合わせる場合は、それぞれの色を少しずつ使うことで、軽快でポップな印象を与えることができます。原色ばかりだとうるさくなりすぎるため、中間色を利用したほうが全体のトーンをまとめやすいでしょう。キッズ向け商品を扱う店舗や輸入雑貨店には、非常におすすめの配色です。
- クールでスタイリッシュな配色:ベースの色はモノクロとして、そこに赤や黄色など濃淡がはっきりとした色を重ねます。使う色数はできる限り少なくおさえることが、おしゃれでカッコいい名刺を作るコツです。男性用のブランドショップや、ガジェット、趣味用品などを扱う店舗などにおすすめです。
用紙

名刺のデザインに凝ることももちろんですが、元となる名刺用紙にこだわることも、パッと見の印象をおしゃれに演出することができておすすめです。
デザイン自体を凝ったものとした場合は、印刷のノリも良い「コート紙」や「マットコート紙」を使うのも良いですが、掲載する情報はシンプルなものに厳選し、用紙自体にこだわることでも、おしゃれな個性ある名刺となるでしょう。
和紙のように表面のざらついた用紙や、全体にエンボス加工(凹凸加工)が施された用紙を選べば、手ざわりでも個性を演出できます。
また、紙以外のポリエステルフィルムや極薄のアルミ素材を使うなど、素材そのものにこだわってみるのも、おしゃれな名刺作りには良いアイデアです。
>>こだわりの名刺を作りたければ紙の種類へのこだわりを持とう
名刺の形

長方形というのがもっとも一般的な名刺の形ですが、これをあえてひねってみるのも、おしゃれな名刺作りのためのアイデアです。
キャッシュカードのように四隅を丸めた加工をするだけでも、名刺の印象はぐっと変わります。
企業など仕事の形に捕らわれないフリーランスなどでは、正方形の名刺や、名刺自体の形を思い切ってなにかの形にするなども、おもしろいチャレンジです。
おまけ~おしゃれ名刺はおしゃれ名刺入れから

名刺交換というのは、名刺を裸のまま相手に渡すのではなく、必ず名刺入れから取り出してそこに添えながら渡すのがビジネスマナーです。
そのため、いくら名刺だけおしゃれなものを作っても、名刺入れがくたびれたみすぼらしいものであっては、すべてが台無しです。
ここは名刺入れ自体もおしゃれなものを用意して、初対面の相手に対する印象を良くするようにしましょう。
まとめ
この記事では、おしゃれな名刺の作り方について、次の5つのポイントに分けて解説してまいりました。
- デザイン
- フォント
- 色使い
- 用紙
- 名刺の形
これらのどこにこだわるかは、それぞれのブランドイメージによって大きく変わってきます。
ただ、その際のもう1つの大きなポイントとしては、やりすぎないことです。
これらすべてで奇をてらったものを用意するより、どこか1つにしぼってこだわりを見せたほうが、おしゃれでカッコいい名刺となるなんてことは、往々にしてありえます。
もしもどこをどうすればおしゃれな名刺が作れるのか悩んだ時は、いっそのこと印刷会社に丸投げしてしまうのも1つのやり方です。
そうすることにより、専門のデザイナーが用意した、非の打ち所のないおしゃれな名刺を手間なく作成することもできます。
いずれの方法を取る場合でも、こだわり抜いたおしゃれでカッコいい名刺を用意して、ライバルに差をつける営業力を手に入れてください。